栗林誠一郎 LIVE TOUR'98“Frosted Glass”
in 渋谷 CLUB QUATTRO
アルバム『Frosted Glass』をリリース後、栗林誠一郎が約1年ぶりにライブを行った。今回のライブ会場は大阪と東京の2ヶ所。9月22日に行なわれた東京でのライブは、台風で悪天候であったのにも関らず大勢の観客が詰め掛け、会場となった渋谷 CLUB QUATTROは、開演前から外の天候を忘れてしまうほどの熱気に満ちあふれていた。そして開演時間を10分ほど過ぎた頃、暗転になったステージに栗林誠一郎が颯爽と登場。場内から一斉に歓声が上がる中、アルバム『Frosted Glass』の1曲目の「何故」でライブはスタートした。思い思いにリズムをとる観客の顔には笑みがこぼれ、今日のライブをいかに楽しみにしていたかが伝わってくる。今回のアルバムのレコーディングに参加している増崎孝司(g)、小野塚晃(key)、勝田一樹(sax)のDIMENSIONのメンバーと江口信夫(ds)、そして前回のライブでもサポート・メンバーを努めた中尾昌文(Manipuiater)という最強の4人を迎え、彼らのプロフェッショナルなプレイを堪能することもできた。
ライブはアルバム『Frosted Glass』の曲を中心に進められたが、全体的に夏を感じさせるナンバーが多く演奏された。実は、今回のライブで演奏された曲は、前回のライブのアンケートで答えてもらった“ライブで演奏して欲しい曲”を集計をもとに選んだものだったらしく、この季節にピッタリのナンバーがセレクトされていた。また、中盤では栗林がベースを持たず、シンガーとして椅子に座り、美しいバラード・ナンバーを披露。彼の澄み切った歌声が会場を包み込み、観客1人1人の心に染み込んでいくのが感じられ、まさにライブのハイライト・シーンと言える場面となった。そして、MCではアルバム・タイトルの由来や、レコーディング中のエピソードが飛び交い、終始ステージと観客がリラックスした状態でライブは進んだ。終盤ではハードなロック・ナンバーを筆頭にアップ・テンポな曲が続き、観客の大きな手拍子と共に、ライブは最高潮に…。観客とメンバーが一体になったステージは“今までのライブの中で一番いいライブ”という印象を誰もが強く感じながら、2時間に渡る演奏で幕を閉じた。
今回のライブ会場は、8年前に栗林誠一郎が初めてツアーを行なった場所でもあった。アンコールを含め全21曲が披露されたこのライブは、彼にとって、そしてファンにとっても思い出深いものになったに違いない。名古屋や仙台から来たという観客、アンコールが終了しても鳴り止まなかった拍手、そして終演のアナウンスが流れてもその場を離れようとしなかったファン…。ステージが終わった瞬間、自分を含めこのライブに訪れた観客全員が、増崎のコメントにもあったように“2000年までにもう一度ライブをやって欲しい”と願った。(橘 優紀/music freak magazine)
SET LIST
- 何故
- Priority
- Love Ya Lady
- Words
- Just Let Me Tell You
- SECRET LOVER
- こんなの愛じゃない
- Precious Time
- 白い My Love
- 永遠の少年達
- 遠く離れても
- Everybody Smiles On you
- It's My Treat
- I Can't Let You Go
- バラードが泣いた夜
- Leave the Liar
- So Good !
- I'll be with you
E1.Summer Illusion
E2.いつまでも君を見つめている
E3.君がいない
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