「人生はお祭りだ」-元気がムクムクと出るワイルド・マグノリアスの新譜が出た!
我らがBrother
"June",山岸潤史が加入しているネイティヴ・インディアンのバンド「ワイルド・マグノリアス」が素晴らしい新譜をリリースした。アルバム・タイトルは「Life
is a
carnival」。60年代後期から70年代初期のアメリカン・ロックを知っている方なら、このタイトルで「もしかして・・」と思うだろう。そう、あの偉大なロックバンド「ザ・バンド」の名曲だ。しかも、その「ザ・バンド」のギタリスト、ロビー・ロバートソンがゲストとして参加している。それだけではなくドクター・ジョン、アレン・トゥーサン、マーヴァ・ライト、シリル・ネヴィルなどニュ−オリンズの大御所から若手まで豪華絢爛なゲスト陣!
しかし、最も重要なのはプロデューサーのグレン・ゲインズの次に副プロデューサーとして山岸の名が記されていることだ。また、マネージャーからボクに送られてきたレコーディング・データにはミキシング・エンジニアとしても名が載っているだけでなく、「日本人移住者の山岸はニューオリンズのやり方をマスターしている」と書いてある。もちろん全曲彼のギターが入っており、ライナーには「ジャパニーズ・ギター・センセーション」と紹介されている。
1年ほど前から実質的にサウンド、アレンジ面のバンマスになっていたことは知っていたが、レコーディング、しかも今回はメジャーのキャピトル・レコードのメトロ・ブルー・レーベルなのでプロデュースやアレンジからは外されるのではないか・・とも思っていたのだが、これで山岸が音楽的に認められていることがみなさんにもわかると思う。山岸は「マグノリアス」だけでなく小島良喜が「腕が4本ある!」と形容した驚異のテクニシャン、盲目のピアニスト、ヘンリー・バトラーにも認められレギュラー的存在となっている。
「ワイルド・マグノリアス」は脈々と続く伝統あるネイティヴ・インディアンの一族であり、ボクが初めてニューオリンズで観た時は昔のスタイルである打楽器と歌だけのアーシーなライヴで、ボクはそのシンプル極まりない演奏と歌にゴスペルを聴いた時と同じような感動が胸にあふれ、あやうく落涙するところだった。しかし、民族音楽としての良さを残しつつエレクトリックな楽器を加えた今回のアルバムのようなスタイルもかなり前から行われてきた。そして、エレキ化されリズムが更に強化されることで、それがいわゆるミーターズやネヴィルズで有名になったリズム「ニューオリンズ・ファンク」の要素のひとつになっていることがわかった。ハリケーンのごとくやってくる彼等のリズムのうねりにじっと座っていることなどできない。どんなに落ち込んでいる時でも顔を上げ、反復されるインディアンの歌詞を一緒に歌ってしまう。それは遠い昔彼等が闘いに向かうときの歌だったかも知れないし、儀式の時に唱和する歌なのかも知れない。
しかし、顔が似ているといわれる日本人にも共通するソウルがあるのか、最初から違和感なくボクは入り込めた。シンプルでパワフルでソウルフル、そしてダンサブル。元気がでる!ビタミン剤要らず!そう、「Life
is carnival」人生はお祭りだ。
ニュー・オリンズでは葬儀の時にセカンド・ラインのビートにのせてブラス・バンドが賑やかに演奏し、その後を親族、近所の人たち、友達が墓場まで踊り、練り歩く。そう、ニューオリンズでは人生の終わりもカーニバルなんだ。ひとり寂しくあの世へ行かさないで、みんなが歌って踊ってお祭り騒ぎしながら途中までついて行く
。まだ、生きてるのに何もしないでいるなんて、どこにも行かないなんて、誰も愛さないなんて・・・・「ワイルド・マグノリアス」は歌いかけてくるようだ。
最後に、みなさんも同胞として素晴らしい音楽を作り、アメリカで認められつつある山岸潤史の功績を共に喜んでください。
Congratulation!June.You gave me a power of livin'
.Thank you. Takashi"Hotoke"Nagai
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