ZYYG LIVE BURST CITY Vol.01
“SWEET PUNKS〜extension”
ZYYGの音楽性が十分に発揮された強烈ライブ、炸裂!!
'97年のZYYGは、シングル(「LULLABY」「この情熱のそばで」)2枚、アルバム(『SWEET PUNKS』)1枚を立て続けにリリース。そして、秋からは全国20カ所以上にも及ぶ長いロードをこなし精力的な活動を行ってきた。その充実した一年を締めくくるべく、12月27日渋谷on air westにて年内最後のライブが行なわれた。
ダーク・ブルーに染まったステージ。メタリックな光を放つ巨大な照明。ずっしりと身構えたツーバス仕様のドラムセット。さらに、暗闇に浮かび上がる機材の光により、ステージ上はどことなく近未来を思わせる。場内は、フロア前方のファンによって作られた熱気で少々息苦しささえ感じられた。だが、メンバーの登場を待ち望む彼らにとって、そんなことはお構いなし。彼らの登場が待ち切れないのか、メンバーの名をしきりに叫んでいる。
そんなオーディエンス気持ちを弄もてあそぶように、メンバーは開演時間を15分ほど過ぎてから登場。一発目はスピード・チューンで攻めてくるだろうという予想に反し、彼らはミステリアスなムーディーを放つ「SERIOUS」をプレイ。高山征輝は、詞ことばを噛みしめるようにゆっくりと歌い出し、後藤康二(g)、加藤直樹(b)、藤本健一(ds)も、じわじわとテンションを上げていく。後藤康二がギターを力強く掻き鳴らすと、高山の頭上に設置されていた照明が上昇。藤本健一のバスドラが鼓動のように鳴り響き、加藤直樹のベースは地鳴りを上げる。オーディエンスは極度の興奮状態で、早くもオーバーヒート寸前といった様子。そして、続く「Something」で溜まりに溜まったエネルギーを一気に放出させる。
それにしても、アルバムタイトルでもあり、このツアータイトルでもある“SWEET PUNKS”という言葉をメンバーは上手く言い当てたものだ。この言葉、まさに、ムーディーな「SERIOUS」からハードな「Something」へと導いたステージ展開に集約されていたと言っても良いだろう。つまり、この“SWEET PUNKS”という言葉には、メロディアスなサウンドの中にも激しさを伴うZYYGの音楽性そのものが見え隠れしていた。だが、それだけでは語り尽くせないのがZYYGの素晴らしさ。そう、何と言っても彼らの真髄はこのライブそのものにある。「Dreamer」で見せた息の合ったブレイク。「ECSTASY」で披露した激しいステージ・パフォーマンス。CDよりも数倍スピーディにプレイされた「WEATHER LOVE」、ほとんど叫びに近いコーラスでオーディエンスを煽あおりまくった「TOKYO SLUM」など、容赦ない演奏で激しいサウンドをたたき付ける。最後にプレイされた「MAD CITY GANG」では、オーディエンスと共に大合唱で締めくくる。
これらのプレイやステージングは、彼らならではのスピード感が伴っている。そのため、会場で暴れていたオーディエンスにとって、細かいパフォーマンスまで覚えていられなかったかも知れない。だが、もう一度、冷静に思い出して欲しい。あれだけ早いステージ展開の中、完ぺきにこなした素晴らしいパフォーマンスの数々を。アンコールで披露された新曲でのオーディエンスの熱狂ぶりを。パーフェクトな演奏、そして、ファンとメンバーの強靱じんな連帯感。ZYYGは、だてにライブを重ねてきたバンドではない。まさにプロのあるべき姿を見せ付けられた、強烈なライブだった。
(荒谷 純/music freak)
- SERIOUS
- Something
- Dreamer
- ECSTASY
- 最初で最後のLOVE SONG
- CRYING MOON
- ぜったいに誰も
- BLOOD ON BLOOD
- 渾身
- REAL IMITATION
- WEATHER LOVE
- LADY MOON
- 遠い日のメロディ
- Rendezous
- TOKYO SLUM
- POOR BOY
- JULIA
ENCORE - (NEW SONG)
- MAD CITY GANG
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